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ふたばていよだん
新編 思い出す人々
内田 魯庵
内田魯庵『新編 思い出す人々』。同一底本的分册已合并为一书。收入:二葉亭余談、淡島椿岳、鴎外博士の追憶、硯友社の勃興と道程、最後の大杉、斎藤緑雨、三十年前の島田沼南、美妙斎美妙、二葉亭四迷、二葉亭四迷の一生、二葉亭追録、明治の文学の開拓者、四十年前、露伴の出世咄。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 215,401 字 · 427 页
二葉亭の醜業婦論は一時交友間に有名であった。その頃二葉亭の家に出入したものは大抵一度は醜業婦論を聞かされた。二葉亭の説に由ると、日本の醜業婦の勢力は露人を風化して次第に日本雑貨の使用を促がし、例えば鰹節が極めて滋味あり衛養ある食料品として露人の間に珍重されて、近年俄に鰹節の輸出を激増したのは露人が日本の醜業婦に教えられた結果である。かつ日本の醜業婦の露人に落籍されるものが益々多く、中には案外なる上流階級の主婦となるものさえあって、これがために日本風の生活が露人間に流行し、日本品でなければ上等でないように思うものが段々殖えて来た。その結果が日本の商品の販路拡張となり、日露両国民の相互の理解となり、国際上の無言の勢力となるから、もし資本家の保護があれば国際上の最良政策としても浦塩へ行って女郎屋を初めるといっていた。この女郎屋論は座興の空談でなくして案外マジメな実行的基礎を持ってるらしかったが、余り突梯だから誰もマジメに聞かなかった。二葉亭と実業というさえも大抵な人の耳には奇怪に響いた。ましてや二葉亭と女郎屋というに到っては小説の趣向を聞くと同じ興味を以て聞くより外なかった。