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ふたばていよだん
新編 思い出す人々
内田 魯庵
内田魯庵『新編 思い出す人々』。同一底本的分册已合并为一书。收入:二葉亭余談、淡島椿岳、鴎外博士の追憶、硯友社の勃興と道程、最後の大杉、斎藤緑雨、三十年前の島田沼南、美妙斎美妙、二葉亭四迷、二葉亭四迷の一生、二葉亭追録、明治の文学の開拓者、四十年前、露伴の出世咄。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 215,401 字 · 427 页
左に右く二葉亭の実業というは女郎屋に限らず、総て単なる金儲けではなかった。金に逼迫していたから金も儲けたかったろうが、金を儲ける以外に大なる経綸があった。その経綸が実業家の眼から見るというべくして行うべからざる空想であったから、偶々その方面の有力者に話しても聞棄てにされるばかりで話に乗ってくれなかった。
然るに浦塩の友なる佐波武雄が浦塩の商人徳永と一緒に帰朝して偶然二葉亭を訪問したのが二葉亭の希望を果す機会となった。佐波はそれまで二葉亭から度々浦塩渡航の希望を洩らされても、文人の性格と商売とは一致しないという理由から不理を説いていたが、どういうキッカケからか三人が相会して一夕の交歓を尽した席上、徳永商店の顧問として二葉亭を聘そうという相談が熱した。その頃浦塩で最も盛んに商売していたのは杉浦龍吉で、杉浦が露国における日本の商人を代表していた。徳永は新進であったが、杉浦と拮抗して大いに雄飛しようとし、あたかも哈爾賓に手を伸ばして新たに支店を開こうとする際であったから、どういう方面に二葉亭の力を煩わす意があったか知らぬが、哈爾賓の支店に遊び半分来てくれないかといった。