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にっき

日記

宮本 百合子

14 一九二八年(昭和三年)

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 58,758 字 · 118 页

青空文庫

かえったときは、何か口に入れてむにゃむにゃかんで居る。

○電車が来た。人なだれ。

――さあさあ、お婆さん

車掌

――冗談しないで車内へ入って下さい

――冗談してやしないよ、婆さんとふざけられるか

○停留場のガラスばりの内。

ベンチに黒いタムをかぶって、この頃流行の横線入り靴下をはいた女、両脚をそろえ、エナミルのアングリースキー靴を眺めて居る。

やがて男が来た。青い技師帽。

Grand Hotel の方へ行った。

○元ムラーマルヌイ〔大理石づくり〕であったグランド・ホテルの入口。

○電車を降りたところに、新聞雑誌のラフカと煙草屋などが並んで居る。板壁の彼方は林であった。白樺の林。

○青いタイルでファサード〔正面〕を張った家。

窓から覆いのない電球だけ下って居る白い室の壁が見えた。

○二階だが、下は半地下室の小さい家。

○新しい木の柵、空地、奥の新しいコーペラチーブ。