轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
じろうものがたり
次郎物語
下村 湖人
01 第一部
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 159,223 字 · 320 页
彼は、ゴム人形の膝を無理に曲げて坐らしたときの恰好を心に思い浮かべて、可笑しくなった。
「もうすっかりすみましたかな。」
老人は、いかにも物静かに言って、俊亮と竜一の父とを見くらべた。
「全く面目次第もないことで……」
と、俊亮はその丸っこい膝を何度も両手でさすった。
「いや、どうも、実は私も今日はじめて、承りまして、おどろいているような次第で……」
と、竜一の父は、俊亮の助太刀でもしているかのような口調だった。
「皆さんにご心配をかけます。」と、老人は丁寧に頭を下げた。それから、しばらく何か思案していたが、急に俊亮を見て、
「ふいと思いついたことじゃが、次郎をしばらくわしの方に預からして貰えませんかな。」
みんながてんでに顔を見合わせた。次郎は先ず母を見た。次に父を見た。それから祖母をちらっと横目で見て、視線を正木のお祖父さんに移した。
「次郎、どうじゃ、当分わしの方から学校に通うては。」
「……………」
次郎は返事をする代りに、再び父の顔を見た。
「いや、よく解りました。どうかお願いします。」
と、俊亮は、ちらっと次郎を見ながら言った。みんなは変におし默っていた。