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しのげんり
詩の原理
萩原 朔太郎
「詩の原理」第一書房 、1928(昭和3)年12月15日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 153,641 字 · 305 页
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日本の文学と西洋の文学とが、現代に於てさえ如何に特色を異にするかは、何よりも西洋の小説家と日本の小説家とを、人物的に印象することによってすぐ解る。西洋の文学者等は、ゾラでも、ツルゲネフでも、トルストイでも、ストリンドベルヒでも、小説家であるにかかわらず、人物的に「詩人」と言う感銘を強くあたえられる。然るに、日本の小説家には、そうした風貌を感じさせる作家が、殆ど稀れにしかいないのである。日本のたいていの作家は、単に文士 Writer という雑駁な感銘をあたえるのみである。けだし日本は、三千年来世界と孤立した特殊国で、文物と国風の一切がちがっており、全くユニックに発育した国であるのに、最近外国からの文化が渡来した為、何もかも無茶苦茶の混線となってしまったのである。――雑駁のもの、あにただ今日の文士のみならんや。――以下日本の特殊文学を考えるため、先ず我々の国民性から説いて行こう。
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日本人の著るしい特色は、極めてレアリスチックな国民であるということである。天気晴朗、鳥の空に囀ずる日に、何ぞ明日のことを悩まんやという、極めて楽天的な現実思想は、古来から日本人に一貫している。