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しのげんり

詩の原理

萩原 朔太郎

「詩の原理」第一書房 、1928(昭和3)年12月15日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 153,641 字 · 305 页

青空文庫

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彼等は狂った磁石をもち、方角を錯覚して、空しく西洋の幻像を追いながら、迷路の中に道を失って帰ってきたのだ。吾人の測量された地図によれば、日本から世界の公道に通ずる道は、ただ一つの直線されたものしかない。他はすべて迷路であって、無数の複雑した岐路の中に、人を惑わすものにすぎないのだ。吾人はこの書の結論として、最後にこの点を明らかにし、新日本の詩と文明とが求めるものを、本質に於て啓示しておかねばならない。

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西洋文明の様式は、宗教(神話)や道徳に対するところの、科学や哲学の懐疑思想に出発し、かつこの主観精神と客観精神との、不断の対立から成立している。然るに懐疑するということは、既に有する信仰を失うことから、別の新しき信仰を求めようとするところの、人間性の止みがたき熱望に動機するのである故に、西洋文明に於ける客観的精神の本質は、本来「主観への逆説」であり、詩を否定しようとするところの、別の詩的精神の反動に外ならない。(科学が詩的精神の反語であることは前に述べた。)(「人生に於ける詩の概観」参照)

されば西洋に於ける一切の文明思想は、結局言って「主観を肯定する主観精神」