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しのげんり
詩の原理
萩原 朔太郎
「詩の原理」第一書房 、1928(昭和3)年12月15日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 153,641 字 · 305 页
第五章 象徴
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故に吾人は、象徴の何物たるかを知らずして近代詩を論ずることができないのである。以下、次章に於てこれを述べよう。
* 叙事詩と抒情詩とで、どっちが男性に属するかという事は、西洋で多くの文学者に論じられている。或る人は叙事詩を女性、抒情詩を男性と言い、或る人は反対に叙事詩の方が男性だと主張している。かく人によって意見が異なるのは、叙事詩に対する解釈がちがうからだ。即ち一方では、それが表面的に「事件を叙述する詩」と解され、一方では同じ言語が、詩の本質的な特色からして、英雄感的のものと解されている。
そこで前者の語解によれば、叙事詩は女性的のものに見られてくる。(なぜなら女性というものは、すべて事件の細々とした描写を好むもので、真の抒情詩的表現を持たないから。この意味でなら女の詩は、素質的に皆叙事詩である。)反対に後の解釈では、叙事詩が男性に属してくる。著者はこの書物に於て、性の本質上の特色――即ち後の方の意味――で、以下叙事詩という言語を使用する。
第五章 象徴
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文壇という世界は、いつも認識上に霧のかかった、不思議な朦朧とした世界である。そこでは絶えずいろいろな観念が創造され、いろいろな言語が使用されるにかかわらず、一も意味のはっきりとした解釈がなく、定義の確立した観念も出来ない中に、次から次へと流行が変って行き