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しのげんり

詩の原理

萩原 朔太郎

「詩の原理」第一書房 、1928(昭和3)年12月15日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 153,641 字 · 305 页

青空文庫

第九章 象徴派から最近詩派へ

なぜならば詩の本質は、上来説いて来たように主観的のものであるから。吾人はいかにしても、高蹈派の説く如き反主観の詩、客観主義の詩というものを考えられない。そして同様にまた、真の意味の芸術至上主義と言うべきものを、詩の世界について想像できない。詩は必ず主観主義の文学でなければならず、したがってまた「生活のための芸術」でなければならない。故に高蹈派の言う意味の反主観や、芸術至上主義やは、おそらく多分、吾人の考える意味のそれとはちがうのだろう。しかしこの弁証は後に廻して、尚高蹈派以後に於ける詩の歴史を、つづいて次章に説かねばならぬ。

* 自由詩が散文的なほど自由詩だということは、詩を散文の中に低落させると言う意味ではない。律格的な形式美に対して、メロディアスの美を徹底させるという意味である。これについて後に他の章(日本詩壇の現状)で詳説する。

第九章 象徴派から最近詩派へ

文芸の歴史は反動である。高蹈派の形式主義によって、あまりに重圧されたところの詩壇は、次いで表現の自由を求め、情緒の解放を叫ぶところの、新しきロマンチシズムへの復活が来なければならないだろう。