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しのげんり

詩の原理

萩原 朔太郎

「詩の原理」第一書房 、1928(昭和3)年12月15日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 153,641 字 · 305 页

青空文庫

「記述」と「説明」と、そして「表現」である。記述とは或る事柄を述べるもので、学術では歴史がこれを代表している。説明は弁証や解義に関するもので、一般の抽象的論文、及び多くの哲学科学がこれに属する。故に記述と説明とは、共に広義の学術に属するもので、芸術に属するものでない。芸術に属するものは、最後の表現あるのみである。もちろん広い意味での芸術――例えば文学的評論等――には、記述や説明に類するものが混じているが、すくなくとも純粋の意味で言われる芸術品(創作)には、まったくそうした要素がない。芸術は常に表現の様式で発想される。

そこで表現の形式には、音楽があり、美術があり、舞踊があり、演劇があり、文学があり、実に種々雑多であるけれども、これを本質に於ける態度の上から観察すれば、あらゆる一切の表現は、所詮して二つの様式にしかすぎないのである。即ちその一は「描写」であって、美術や小説がこれに属する。描写とは、物の「真実の像」を写そうとする表現であり、対象への観照を主眼とするところの、知性の意味の表現である。然るに或る他の芸術、例えば音楽や、詩歌や、舞踊等は、物の「真実の像」