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さんごくし
三国志(八)
吉川 英治
線上閱讀吉川 英治《三国志(八)(さんごくし)》,假名注音日語閱讀。JLPT N1,點詞查義。
N1 · 挑戰 · 新字新假名 · 195,604 字 · 391 頁
三
その計は奇想天外であって、ようやく仲達の眉を晴れしめるに足りた。
三
鹵城は決して守るにいい所ではないが、魏軍の動向は容易に測り難いものがあるので、孔明もじっと堅守していた。
しかし彼は、この自重も決して策を得たものとはしていない。なぜならば近頃、司馬懿は雍涼に檄文を飛ばして、孫礼の軍勢を剣閣に招いているふうが見える。ひとたび魏がその尨大な兵力を分けて、蜀境の剣閣でも襲うことになろうものなら、帰路を断たれ、運輸の連絡はつかなくなり、ここの陣地にある蜀軍数万は孤立して浮いてしまう。
「――余りに動かざるは、かえって、大いなる動きあるに依るともいう。どうも近ごろ魏軍の静かなのは不審だ。姜維と魏延とは、各一万騎をつれて、剣閣へ加勢に赴け。何となく心許ないのはあの要害である」
姜維と魏延とは、彼の命をうけて、即日軍勢をととのえ、剣閣へ向って行った。
それから後のことである。長史楊儀は孔明の前へ出て、
「さきに漢中を立たれる際、丞相は、軍を二つに分けて、百日交代で休ませると宣言なされたでしょう。どうも弱ったことであります」
「楊儀。何を困ったというか」
「もはやその百日の日限がきたのです。