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さんごくし
三国志(八)
吉川 英治
線上閱讀吉川 英治《三国志(八)(さんごくし)》,假名注音日語閱讀。JLPT N1,點詞查義。
N1 · 挑戰 · 新字新假名 · 195,604 字 · 391 頁
曹真は頭を掻いて後悔した。
「また、彼奴に騙されていたのだ」
聞くや否、張はすぐ新手の勢をもって、孔明のあとを急追してみたが、時すでに甚だ遅かった。
また、陳倉道の口に残って、久しい間、魏の猛将王双をそこに支えていた魏延は、孔明の書簡に接すると、これもたちまち、陣払いを開始していた。
当然、それはすぐ王双の知るところとなり、王双はいとまをおかず追撃した。
そして、蜀兵に近づくや、
「魏延、いずこに帰るぞ、王双これにあり、返せ返せ」
と馬の上から呼ばわりつつあくまで追った。
蜀兵の逃げ足も早かった。王双の追うこと余りに急なので、彼の周囲には、ようやく旗本の騎馬武者二、三十騎しか続いて来られなかった。
すると、後から駈けてきた一騎が、
「わが大将、ちと急ぎ過ぎましたぞ、敵将魏延はまだうしろのほうにいる」と、注意した。
「そんなはずはないが?」
と、振り向くと、どうしたことか、陳倉城外にある自分の陣営から黒煙が上がっている。
「さては、うしろへ出たか」と、あわてて引っ返して、途中の有名な嶮路陳倉峡口の洞門まで来ると、上から大岩石が落ちてきて、彼の部下、彼の馬、みな挫きつぶされた。