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さんごくし
三国志(八)
吉川 英治
線上閱讀吉川 英治《三国志(八)(さんごくし)》,假名注音日語閱讀。JLPT N1,點詞查義。
N1 · 挑戰 · 新字新假名 · 195,604 字 · 391 頁
やって来るほどなら、我方の退却は絶好の戦機だから、急追また急追、これへ迫ってくるのがほんとうだと主張して譲らない。
「では、こうしましょう」と、司馬懿も自説を固執してついにこう云いだした。
「いま閣下と私で、おのおの二軍を編制し、箕谷と斜谷にわかれて、おたがいに狭路を擁し、彼の通過を待ち伏せます。そしてもしこれから十日の後まで、孔明がそれへ来なかったら、仲達はいかなるお詫びでもいたしますが」
「どういう謝罪の法をとるかね」
「この面に紅粉を塗り、女の衣裳を着て、閣下の前にお辞儀いたします」
「それはおもしろい」
「しかし、もし閣下のお説がまちがっていたらどうなさいますか」
「さよう。どうするかな」
「これは大きな賭ですから、片方だけの罰則では意味をなしますまい」
「然らば、もし貴説があたったときには、予は魏帝から拝領した玉帯一条と名馬一頭をご辺に贈ろう」
「ありがとうございます」
「まだ、お礼は早いよ」
「いや戴いたのも同じことでしょう」と、仲達は呵々と笑った。
その夕べ、彼は祁山の東にあたる箕谷に向い、曹真も一軍をひきいて、祁山の西方、斜谷の口に伏せた。
二
伏勢の任務は戦うときよりはるかに苦しい。