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みみずのたわこと
みみずのたはこと
徳冨 健次郎
Read みみずのたはこと (みみずのたわこと) by 徳冨 健次郎 (とくとみけんじろう) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 265,437 characters · 530 screens
然しお馨さんによく肖た妹達が五人まで居て、其幼な立から二十歳前後を眼の前に見る様であった。外川先生が司会し、お馨さんの学友がオルガンを弾いて、一同讃美歌の「やゝにうつり行く夕日かげの、残るわがいのち、いまか消ゆらん。御使よ、つばさをのべ、とこしえのふるさとに、つれゆきてよ、……」と云うのを歌うた。
粕谷の彼は起ってお馨さんと彼等の干繋を簡単に述べ、父者人に対して卑怯なる虚言の罪を謝し、終に臨み、お馨さんの早世はまことに残念だが、自身の妹か娘があるならば、十人は十人矢張お馨さんの様に戦場に送りたいと思うと言った。
次ぎにF女史が立って、お馨さんの臨終前後の事を述べた。お馨さんは、ブルックリン病院の生徒となって以来、忠実に職分を尽して、校長はじめ先輩、同僚、患者、すべての人の信愛を贏ち得た。発病以来苦痛も中々あったであろうが、一言も不平憂悶の語なく、何をしてもらっても「有難う/\」と心から感謝し、信仰と感謝を以て此世を去った。真に見上げた臨終で、校長はじめ一人として其美しい勇ましい臨終に感激せぬ者は無かった。F女史は斯く事細かに語り来って「私も斯様に米国から御国に伝道に参って居りますが、馨子さんの働きを見れば、其働きの間は実に暫の間でございましたが、私は恥入る様に思います。