Japanese reading practice

Read classic Japanese books with furigana

ja-reading.com

Read classic Japanese books online with furigana. Filter by JLPT level, tap a word for the meaning, and translate a sentence.

みみずのたわこと

みみずのたはこと

徳冨 健次郎

Read みみずのたはこと (みみずのたわこと) by 徳冨 健次郎 (とくとみけんじろう) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.

N2 · advanced · modern kanji and kana · 265,437 characters · 530 screens

Aozora Bunko

春七日

(一)雛節句

「福富サンが、皆を集めて遊ばせて下さるゥ……(如何も声が出ないものですから、エヘン、エヘン――ウーイ、ウーイ、ウーイ)……御親切な福富さんの(ウーイ、ウーイ)ます/\御繁昌で(ウーイ、ウーイ)表の方から千両箱、右の方から宝船(ウーイ、ウーイ)……

障子の外に立聞く主人は、冷汗が流れた。彼は窃とぬき足して母屋に帰った。唄はまだつゞいて、(ウーイ、ウーイ)が Refrain の様に響いて来る。

(明治四十五年 二月六日)

春七日

(一)雛節句

三月三日。別に買った雛も無いから、細君が鶴子を相手に紙雛を折ったり、色紙の鶴、香箱、三方、四方を折ったり、あらん限りの可愛いものを集めて、雛壇を飾った。

草餅が出来た。蓬は昨日鶴子が夏やと田圃に往って摘んだのである。東京の草餅は、染料を使うから、色は美しいが、肝腎の香が薄い。

今朝は非常の霜だった。午の前後はまた無闇と暖で、急に梅が咲き、雪柳が青く芽をふいた。山茱萸は黄色の花ざかり。赤い蕾の沈丁花も一つ白い口を切った。春蘭、水仙の蕾が出て来た。

雲雀が頻に鳴く。麦畑に陽炎が立つ。

唖の巳代吉が裸馬に乗って来た。女子供がキャッ/\騒ぎながら麦畑の向うを通る。