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みみずのたわこと
みみずのたはこと
徳冨 健次郎
Read みみずのたはこと (みみずのたわこと) by 徳冨 健次郎 (とくとみけんじろう) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 265,437 characters · 530 screens
(縮刷)みゝずのたはこと(七十四版)
都会住者は読んで麦の穂末を渡り来る暮春の薫風の如き自然の気息に接せよ、田舎に住む人は之れに依りて新に吾周囲を見るの眼を開け。九葉の写真版は本文を助けて説話の舞台を読者の眼前に躍如たらしむ。
(縮刷)みゝずのたはこと(七十四版)
日露役後戦勝日本の浮かれ心地を尻眼にかけて逸早く都門を去り、土の生活に入った著者が、大自然の直接教授を日々夜々に受けつゝ目睹耳聞体験心閲を筆にまかせて書き留めた『みゝずのたはこと』は、大正初年に於ける土の文学の一名著として已に七十四版を重ね、ます/\新しい読者を牽きつけつゝあります。四十年来空想天を舞いあるいた夢見がちの著者を否応なしに現実の大地に引きずり下ろし、潔癖の彼に頭から土の洗礼を浴びせて有無を云わさず一切を愛せしめ、嚏をしても赤面した小胆の彼を真昼中生れたまゝの赤裸になって堂々と大手をふって濶歩する自然男アダムにしてのけたは、何はともあれ土の生活の賜物で、其生活の最初の産物が即ち『みゝずのたはこと』であります。
今帝都の西三里、人目には平凡きわまる粕谷の荘に自家の埃田を発見して、五十男が新春の驩喜に手の舞い足の踏む所を知らぬ快活の境地には如何にして達し得たでしょう乎。