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みみずのたわこと
みみずのたはこと
徳冨 健次郎
Read みみずのたはこと (みみずのたわこと) by 徳冨 健次郎 (とくとみけんじろう) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 265,437 characters · 530 screens
落穂の掻き寄せ
デデン
其れが紀州に届いたと思う頃、令弟から安達君は到頭先度の傷の為に亡くなった、と知らして来た。
安達君は余の発狂を見舞に来てくれたが、余は安達君の病原に触るゝことが出来なかった。
記念の暁斎画譜は大切に蔵って居る。
「門」のキャプション付きの写真
門
落穂の掻き寄せ
デデン
一月一日
七時起床。戸を開けば、霜如雪。裏の井戸側に行って、素裸になり、釣瓶で三ばい頭から水を浴びる。不精者の癖で、毎日の冷水浴をせぬかわり、一年分を元朝に済まそうと謂うのである。
戸、窓の限りを明け、それから鶏小屋の開闢。
畑に出て紅い実付の野茨一枝を剪って廊下の釣花瓶に活け、蕾付の白菜一株を採って、旅順の記念にもらった砲弾信管のカラを内筒にした竹の花立に插し、食堂の六畳に飾る。旧臘珍らしく暖だったので、霜よけもせぬ白菜に蕾がついたのである。
十時過ぎ、右の食堂で家族打寄り、梅干茶一碗、枯露柿一個。今日此家で正月を迎えた者は、主人夫妻、養女、旧臘から逗留中の秋田の小娘、毎日仕事に来る片眼のかみさん。猫のトラ、犬のデカ、ピン、小犬のチョン、クマ、鶏が十五羽。
十一時雑煮。東京仕入の種物沢山で、頗うまい。