Japanische Klassiker mit Furigana
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つたかずらきそのかけはし
蔦葛木曽棧
国枝 史郎
Lesen Sie 蔦葛木曽棧 (つたかずらきそのかけはし) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 335.908 Zeichen · 669 Bildschirme
「ふうむ」と老人は頷いたがその眼をカッと見開いて二人の武士をじっと見詰め、
「してこの老人をお手前達はいかなる者と思わるるな?」
「おおせまでもござりませぬ」二人の武士は同音に、「伊賀流忍術の開祖として天下にその名を謳わるる百地三太夫有隣斎殿!」
「いかにも愚老は有隣斎じゃ。それほど慕われるそなた二人、弟子に取っても苦しゅうないが、しかしいったいそなた達は、いかなる理由で老人の術をそのように執心なさるるな?」
「他に仔細はござりませぬ」常陸介がまず云った。「今や戦国の世の有様、一芸一能あるものは手に唾して立つべき秋、おこがましくはござりますが、この某も弓馬の道、刀槍の術には一通り秀いで、他人に劣るとも存じませぬが、この上さらに忍術を学び、浮世の裏を自由自在に出入致すことが出来ましたならば、それを提げて良き主に仕え、天晴れ一働きいたしたく、そのための執心にござります」
「誠に穏かの考えじゃの。良主に仕えたいとのその一言、この老人の胸に落ちた。そなたの器量は秀でてはおるが、天下を治める器ではない。君に仕えて節を尽す、これがそなたの天賦の器量。しかしそなたの面上には剣難の相歴々たりじゃ。