Japanische Klassiker mit Furigana
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つたかずらきそのかけはし
蔦葛木曽棧
国枝 史郎
Lesen Sie 蔦葛木曽棧 (つたかずらきそのかけはし) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 335.908 Zeichen · 669 Bildschirme
三度響く貝の音
三度響く貝の音
「あッ、しまった見付けられた!」
二人はピタリと足を止め元来た方を振り返って見た。不思議やそれらしい気勢もない。陣屋陣屋は静まり返り松火らしい火花さえ見えぬ。
「変梃だなア」と呟いたとたん、行手の林の木の間から、二点、十点、二十点、三十点ばかりの松火の光が、雪を桃色に染めながら一列にタラタラと現われた。
「南無三宝! 先廻りをされた!」
二人は茫然と佇んだままどうすることも出来なかった。するとその時一人の武者が静かにこっちへ近寄って来たが、
「お使者、どこへ参られるな」嘲笑うように声を掛けた。
「拙者をお忘れではござるまい」
松火を背にして髭を生やし武具に身を固めた大男。人丸にもお銀にも見覚えがある。
「やあ貴様は峠道で我らを襲った追剥ぎだな」
「よくもあの時は仲間の者を数人ならず殺したな。今日は仲間の敵討ち、遁がしはせぬぞ観念しろ!」鎌髭の権は嘲笑ったが、「それにしても汝ら二人、あの時のみすぼらしい駈落ち者が、木曽家の使者とは化けも化けたり、それが知れぬと思っていたのは日本一の大白痴、今になって逃げようとも、滅多に逃がす事ではないぞ」
「何を吐す!」