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Japanische Klassiker mit Furigana

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つたかずらきそのかけはし

蔦葛木曽棧

国枝 史郎

Lesen Sie 蔦葛木曽棧 (つたかずらきそのかけはし) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 335.908 Zeichen · 669 Bildschirme

Aozora Bunko

一隊飯山城下に入る

しかし、山巓の松火の火が、いかにも粛然と隊伍を整え、悠々と動いて行くのを見ると、心を乱さざるを得なかった。

「もし詭計なら詭計でもよい。ともかくも兵を出して追っ駈けて見よう」

で手兵を二つに分け、その一つを出してやった。自然備えが手薄になった。それをあたかも察したかのように水晶山から人夫達が、一度にドッと下ろして来た。

「この機を外さずひっ包み、一人も残さず討って取れ!」

杢之介は味方を励ましながら、自身先頭に馬を進めた。

しかし人夫達の勇敢には、敵すべくも思われなかった。

「あのお方のため! あのお方のため! 死ねや死ねや、死ねや死ねや!」

こう口々に叫びながら、彼らは力戦するのであった。

見る見る杢之介の軍勢は二町あまりも追い立てられた。

「深入りするな、深入りするな!」

こういう声が聞こえたかと思うと、俄然人夫達は追撃を止め、進むも早ければ退くも早く、颯と山上へ引き上げた。

これに反して五の木戸では、山寨方が優勢であった。これは大将地丸左陣の駈引き軍配が巧かったからで、一旦奪われた五の木戸を見る見る中に奪い返し、攻囲軍を圧迫した。

やがて四の木戸、三の木戸も山寨方の手に返り、今は攻囲軍は二の木戸の辺で、死力を尽くして防ぐ他には取るべき手段がなくなった。