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Japanische Klassiker mit Furigana

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つたかずらきそのかけはし

蔦葛木曽棧

国枝 史郎

Lesen Sie 蔦葛木曽棧 (つたかずらきそのかけはし) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 335.908 Zeichen · 669 Bildschirme

Aozora Bunko

迫れる武者之助

赤誠を面に現わして、如来衛門は云うのであった。

右門もその義気には感じたが承諾おうとはしなかった。

「そなたの厚意忘れはせぬ。がしかし拙者も武士であれば自分の災いを赤の他人の、しかも町人のそちに移すは何とも心苦しいことでござる。ただ運命を天に任せて、彼の山賊らと相対し、ここにこうやっているつもり、構わずそこもとは帰られよ」

こう云い切ると花村右門はきっと林の方へ眼をつけた。

迫れる武者之助

如来衛門はそれを聞くと返す言葉も出なかった。これもしばらく黙然と林の方を眺めるばかり、腕をこまねいて立っていた。

林の中の一群は、大日武者之助を先頭に、しずしずとして此方へ近寄って来る。静かではあるが執拗に蛙を覗う蛇のように、きわめて悠々と迫って来る。

如来衛門はそれを見ると、もうじっとしてはいられなかった。思わず拳を握ったが右門の姿を見ると、握った拳をまた開いた。

「そうだ!」

と、何を思ったか、如来衛門は叫んだが、そのまま右門を捨てておいて一散に町の方へ走って行った。

その間も武者之助の一群は、次第次第に近寄って来た。そして間近くなった時、武者之助は右門を呼びかけた。