Japanische Klassiker mit Furigana
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つたかずらきそのかけはし
蔦葛木曽棧
国枝 史郎
Lesen Sie 蔦葛木曽棧 (つたかずらきそのかけはし) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 335.908 Zeichen · 669 Bildschirme
双玉の原の二人の巫女
こう云ったのは水藻であった。
「迷児になったのではないでしょうか?」
こう云ったのは水泡であった。
「さあ、そうなら大変ですね。この土地で迷児になろうものなら、岩石人に捕えられるか、獣人どもに連れて行かれるか、気障で好色の麗人達に、辱しめられるかの三つですからね」
「いいえそれにもう一つ、猛い獣に食われますよ」
「どっちみち安穏ではありませんね」
二人は憂鬱に黙ってしまった。
と、水藻が立ち上がった。
「さあそろそろ出かけましょう」
「腐木の谷へでございますの」
「ええ、もう一度頼んで見ましょう」
「あの無慈悲な岩石人達、とても返してはくれますまいが、うっちゃって置くことは出来ませんわね」
「二つの玉がなかろうものなら、妾達生きてはいられません」
「第一ご先祖に済みませんわね」
「そうしてあの玉があればこそ、女の身空でも妾達は安穏でいることが出来ますけれど、いよいよあの玉が手に入らないとすれば、双玉の原の神聖は、すぐにも穢されてしまいます。そうして妾達はどの敵かに、殺されてしまうでございましょうよ」
「そうなったら双玉湖も、濁されてしまうでございましょうよ」
「神社も焼かれてしまいましょう」