Japanische Klassiker mit Furigana
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つたかずらきそのかけはし
蔦葛木曽棧
国枝 史郎
Lesen Sie 蔦葛木曽棧 (つたかずらきそのかけはし) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 335.908 Zeichen · 669 Bildschirme
鋭い剣の飛礫
「見世物衆じゃ、見世物衆じゃ。今年は何を持って来たかな」
町の者達は囁き合って彼らの一隊を見送っている。神の森には急拵えの幾個かの小屋が出来ていて「剣の舞」だの「相撲」だのの太夫連が既に掛かっていた。
香具師の一隊は森へ着くと、すぐ小屋掛けに取りかかった。それがまた戦場の陣拵えとちっとも違っていないのであった。
夕方には既に小屋が出来た。祭は今宵から始まって向こう三日間執行れるのである。
夜となると森の中に灯が点もり、参詣の人で賑わった。香具師の小屋へも見物の者が溢れるほどにはいって来た。
猪、熊、猿などの山の獣が檻の中で自由に遊んでいるのを見物達はその前に立って、珍らしそうに眺めながら、好奇心を充たせて喜ぶのであった。
そうやって獣を見せる傍ら、仮拵えの舞台へ出て、香具師達は替々いろいろの芸当を演じて見せた。
山中で数馬と応対をした若いキビキビした香具師が静かに舞台へ上がって行った。紋十郎という男である。舞台の端に藁で作った等身大の人形があったが、それに向かって紋十郎は十本の剣を投げ刺しにした。
「眉間!」と絶叫してまず投げた。剣は眉間に当たっている。