Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
つたかずらきそのかけはし
蔦葛木曽棧
国枝 史郎
Lesen Sie 蔦葛木曽棧 (つたかずらきそのかけはし) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 335.908 Zeichen · 669 Bildschirme
……人心の翻覆至って量り難し……これがこの詩の眼目じゃ。そなたが旅に出られてからも、注意すべきはこの点じゃ。充分注意なさるがよい」
「謹んで服膺仕ります」常陸は恭しく一礼した。
「次はこの私の心意気じゃ。多少の才は持ちながら競争場裡に打って出て何故栄華を求めないか? 何故、山などに住んでいるか? 私の心意気は千年の昔、唐の李太白が吟っている。立派な言葉で吟っている」
こう云うと三太夫は微吟した。
余ニ問ウ何ノ意ゾ碧山ニ棲ムト
笑ッテ答エズ心自ラ閑ナリ
桃花流水杳然トシテ去ル
別ニ天地ノ人間ニ非ザル有リ
「アハハハ」と笑って老人はそのままゴロリと横になった。そして手を揮って云うのである。
「我酔ウテ眠ラント欲ス君且ク去レ――さあさあ行くがよい行くがよいさあさあ出立するがよいぞ――明朝意有ラバ琴ヲ抱イテ来タレ――縁があったらまた逢おうぞ」
三太夫は既に眠っていた。鼾の声が安らかである。
常陸と才蔵は眼を見合わせ、それから二人とも微笑した。
「才蔵殿ともお別れじゃ」常陸はやがて物優しく別れの挨拶をするのであった。「二、三年経たばまた参ってお目にかかることも出来ましょうか。