Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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つたかずらきそのかけはし

蔦葛木曽棧

国枝 史郎

Lesen Sie 蔦葛木曽棧 (つたかずらきそのかけはし) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 335.908 Zeichen · 669 Bildschirme

Aozora Bunko

土牢内の血痕

今日の時間にして三十分余り、三人は何事もなく進んで行ったが、先に立っていた白虎太郎がその時突然足を止めた。

プンと匂う土の香。四辺は暗々として一寸先も見えぬ。そして何んとなく息苦しい。

はたしてここは地下道であった。

土牢内の血痕

「白虎太郎、ここは地下道かな?」オースチン師は声を掛けた。

「ハイ、地下道へ参りました」

「土牢へはどう行くのじゃ?」

「ハイ、こちらでござります」

相変らず昏々と眠りながら白虎太郎はこう云ったが左に向かって歩き出した。で二人はその後から足を早めて従いて行く。しばらく行くと灯の光が一つポッツリ点いている。すなわち地下道の岩壁に取り着けられた籠篝である。

そこを通って尚進むと忽然として十字路へ出た。と太郎は躊躇もせずそれを左の方へ曲がって行く。こうして行くこと一町余また十字路へ現われた。と太郎は左へ曲がる。

こうして地下道へ入り込んでから今の時間にして一時間あまり三人は縦横に歩き廻わったがやがてまた、十字路へ現われた時白虎太郎は立ち止まった。

ブルブル全身を顫わせている。

「これどうしたのじゃ? 何を顫えている? ハハア何かを恐れているのじゃな」