Japanische Klassiker mit Furigana
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つたかずらきそのかけはし
蔦葛木曽棧
国枝 史郎
Lesen Sie 蔦葛木曽棧 (つたかずらきそのかけはし) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 335.908 Zeichen · 669 Bildschirme
「呆れたものだよ甚助かえ」傾城小銀は面白そうに含み笑いを響かせたが、「人じらしなら止しておくれ。あれは最初からの段取りじゃないか」
「色仕掛けで蕩し込み、相手の腹を探るというのが、いかにも最初からの約束ではあるが、ああ眼の前で見せ付けられちゃ、癪の虫も起ころうというもの、何さ、実は気が揉めるのさ」
「気が揉めるとは初心だねえ。そこへ妾ア打ち込んだのさ」
「何んだ打ち込んだ。いい白だ。島原仕込みの廓言葉、滅法仇っぽく聞こえるなあ」
「妾アお前と夫婦じゃないか。変な探りは聞くことじゃない」
お銀はツンと横を向く。
「おやおや本当に憤ったのかえ? こいつは仕損じ。謝った謝った」人丸左陣は頓狂に、ポカリ額を叩いたものである。
「それはそうと、オイお銀、ああいう鋭い地丸のこと、こっちの贋ということを、いつ、見現わさないものでもねえ、さてその時はどうしたものだ」
「だから妾は思っているのさ。否が応でもあの地丸を、妾の色香で引っ張り寄せ……」
「ナール、俺らを捨てようとか」
「まだお云いだね、悪い口だ」
「ホイホイ、またまた叱られたの、しっ腰のねえ亭主ではある。ハッハハハハ、さてそれから?」