Japanische Klassiker mit Furigana
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つたかずらきそのかけはし
蔦葛木曽棧
国枝 史郎
Lesen Sie 蔦葛木曽棧 (つたかずらきそのかけはし) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 335.908 Zeichen · 669 Bildschirme
にわかに起こる鬨の声
「何んの謀反でございますものか。自由意志でございます」
「しかし我々は謀反と認める」
「勝手にお認めなさりませ」
「謀反人は殺さねばならぬ」
「死ぬのは厭でございます」
にわかに起こる鬨の声
「おお死ぬのは厭でござるかな」
「ハイ、厭でございます」
「しかし山寨の掟として謀反人は殺さねばならぬ」
「死ぬのは厭でございます」
「死なない法が一つござる」
「どうぞお教えくださいまし」
「姫!」
と云うとにじり寄り、ムズと両手をひっ掴んだ。
「私の心にお従いなされ」
すると姫は驚きもせず、
「心に従えと云いますのは?」
「私はあなたに恋しております」
「それは有難う存じます」
「おお有難いとおっしゃるか」
「人に恋され愛されるのは、有難いことでございます」
「それでは私のこの恋を、叶えてくださるとおっしゃるか?」
「いいえそれは出来ません」
「ナニ出来ぬ? 何故出来ませんな?」
「他の人を愛しております!」
姫は始めて厳然と云った。
「どなたを愛しておいでなさる?」
「ハイ、許婚の右京次郎様を」
左陣は冷やかに笑ったが、
「その飛鳥井右京次郎も、明日は驚くでございましょう」
「それは何故でございます?」