Japanische Klassiker mit Furigana
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つたかずらきそのかけはし
蔦葛木曽棧
国枝 史郎
Lesen Sie 蔦葛木曽棧 (つたかずらきそのかけはし) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 335.908 Zeichen · 669 Bildschirme
武者之助の一団は陣屋を抜けて山腹眼がけて進んで行った。
第二の陣屋でも武者之助達は同じことを番人に咎められた。それに対して武者之助は同じような返事をするのであった。こうして第三、第四の陣屋をこの一団は通り抜けた。どこの陣屋を眺めても、備えは厳しく将士は奢らず、到底、野武士山賊達の集まりなどとは見えなかった。
第五の陣屋を通り抜けて、山腹の曠野に出たときに、忽ち遥かの彼方から祈祷の声が聞こえて来た。
ハライソウ、ハライソウ、ハライソウ。
…………
敬神の意志に充ち充ちた荒らくれた武士が数千人声を揃えて唄う祈り! 山に響き谷に籠り、雪の地上を這い廻わり、夜の蒼天に昇って行く時、もしその声を聞いたなら、たとえ心無い嬰児でも思わず跪ずくに違いない。それほど祈祷は神々しく武者之助の一団にも聞こえて来た。
彼らは一斉に跪ずいて、胸のあたりへ十字を切った。そして再び立ち上がり、祈祷の声の聞こえて来た遥か前方の森の方へ足を早めて進んで行った。
こうして旗本の陣屋の木戸へ彼らの一団は行き着いた。
「どなたでござるな? どこへ通られる?」
同じことを番士に尋ねられた後、彼らは奥へ案内された。