Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

たいらのまさかど

平の将門

吉川 英治

Lesen Sie 平の将門 (たいらのまさかど) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 232.193 Zeichen · 463 Bildschirme

Aozora Bunko

虫籠の女人

そのあとの、凄愴なしじまの下に、将門のうめきが聞えた。いや、断続してしゃくり泣く彼の異様な声だった。また、その周りに、眼や唇を、血だらけにしたり、袖や袴を、ほころばしている幾人が――まっ蒼な顔を持ったまま、しばらく、大きな息を、肩でつきあっていた。

「……ち、畜生め。……甥だとおもって、よいほどにしておけば」

良正は、やっと、口がきけて来たように、呟いた。そして、大勢で滅茶滅茶に撲ったり蹴ったりして、半殺しの目にあわせた将門の姿を、そのもがきを、いつまで、にらみつけていた。

「立てっ。さ。もう一ぺん立って、今みたいな口をきいてみろ。――将門っ。どうした。立てないのか」

良正、良兼、はじめ、人々はようやく、あたりの杯盤の粉々になっているのや、仆れている壁代などに気がついて――自分の鼻血を袖で拭いたりした。

将門は、身を揉んで、まだ、哭きむせんでいた。

「たわけ者が」

良兼は、家人へ、いいつけた。

「せっかくの酒もりも、だいなしだ。つまみ出してくれい。この甥を」

物音に駈け集まっていた家人郎党は、十人をこえていた。将門を、かつぎかけた。よほど、荒っぽく、袋叩きにされたとみえ、将門は、立ちも得ない。