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Japanische Klassiker mit Furigana

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たいらのまさかど

平の将門

吉川 英治

Lesen Sie 平の将門 (たいらのまさかど) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 232.193 Zeichen · 463 Bildschirme

Aozora Bunko

脚気を病みつつ

勝鬨とも、爆笑の嵐ともつかない声が、うしろで聞えた。

「それっ、追い討ちにかかれ」

「焼き立てろ、火攻めに移れ」

良兼の部下は、余勢を駆って、さらに、豊田郷の深くに進攻し、放火、掠奪、凌辱など、悪鬼の跳躍をほしいままにして、その日の夜半頃、筑波へひきあげた。

脚気を病みつつ

一夜のうちに、豊田郡一帯は、無数の焦土を、ここかしこに、作っていた。たのみ難い人の世の平和を語るように、余燼のけむりが、次の日も、もうもうと、水郷いちめんを晦くしていた。

「何も知らない百姓の女わらべや老人にまで……。ああ、気のどく。これは、おれのせいだ」

将門は、馬で、あちこち、見舞ってあるいた。その惨状を、眼で見、耳に聞いた。

去年。――敵地へ駈け入ったとき、将門が敵へ与えた通りな惨害が、今日は、彼の領下に、加えられていた。

幸いに、豊田の本拠は、無事だった。館にも、柵前にも、また彼の妻子にも、何事もなかった。

けれど、将門は、辛かった。正しく、自分の精神と肉体に、痛打をうけた感じである。

救い粥の状況を一巡見て、館へ帰ると、彼は、いつになく、疲労の色をたたえていた。今暁、一睡はしているのに、なぜかひどく気力がふるわない。