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Japanische Klassiker mit Furigana

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たいらのまさかど

平の将門

吉川 英治

Lesen Sie 平の将門 (たいらのまさかど) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 232.193 Zeichen · 463 Bildschirme

Aozora Bunko

野火の肌

「おう、喧しいぞ」

「まるで、水禽の囀りだ……」

舟が、岸へ近づくにつれ、待ちもうけていた遊女船が、客をとらえるために、一せいに漕ぎ寄せてきた。彼女たちは、絵日傘に似た物を翳し――口々に客の舟へ何かさけびかけるのだった。――嬌声、水にひびき、脂粉波を彩る――と詩人の歌った通りにである。

野火の肌

いま、この遊里には、こんな話が、人々に語り継がれている――。

つい、おととしの、夏の頃。

ここから遠くない、やはり同じ淀川の岸にある鳥飼の院(離宮)へ、避暑においでになっていた宇多上皇が、ある日、つれづれのまま、江口の遊女を、たくさんに、院へ召された。そして、

「この中に、よしある人の娘もいるか」

と、訊ねられた。

ひとりが、答えて、

「されば、江口の君たちには、中君、主殿、香炉、小観音、孔雀などという佳人もおりましたが、近頃では、大江玉淵の娘、白女の君に及ぶものはありません」

と、奏した。

大江玉淵というのは、大江音人の子であるから、その孫娘にあたるわけである。

音人は、清和帝に仕え、従三位左衛門督をかね、検非違使の別当まで勤めた人であり、その弟の千里は、歌人としても、有名であった。