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Japanische Klassiker mit Furigana

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たいらのまさかど

平の将門

吉川 英治

Lesen Sie 平の将門 (たいらのまさかど) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 232.193 Zeichen · 463 Bildschirme

Aozora Bunko

月と水

良兼は、にが笑いしたが、彼女が、局に入るまで、彼女の虫籠である住居の小壺にうしろから尾いて行った。

月と水

野霜の翁――具足師の伏見掾は、夜業をしていた。

源護の嫡男、扶から、誂えられていた一領の鎧を、きのうも、大げさに、催促されていたからだった。

三ヵ所に、灯皿を架け、その乏しい灯の下ごとに、背をまろくして、老いたる妻や、娘や、二人の弟子なども、膠ごてを使ったり、おどしの糸を綴ったり、みな、精を出しあっていた。

「……どうなすったろうの。豊田の小殿は」

ふと、思い出したように、伏見掾が、つぶやいた。きのうの朝、夜明けと共に、ここを立った将門のことが、きょうは、家族たちの口に、何度も、うわさにのぼった。

「きょうも、ここの道を、まだ、通られはしなんだのう。――たれか、お姿を、見たものは、あるか」

媼もいった。弟子たちは、顔を振った。縅の染め糸を、白い掌に、揃えては、綴じ板にならべていた娘だけは、無関心のように、うわさの、外にいた。

「ここの道を、おつつがなく帰るお姿を見るまでは、何となく、気にかかることではある。……あの叔父御たちの、肚ぐろい企みが、小殿の方にも、うすうす分っているらしいだけにな」