Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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たいらのまさかど

平の将門

吉川 英治

Lesen Sie 平の将門 (たいらのまさかど) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 232.193 Zeichen · 463 Bildschirme

Aozora Bunko

痣

けれど、将門様は、心のうちでは、時々、お泣きにならずにいられないのでしょう」

「そうかも、しれない」

「そうしたら、私も時々、心のうちで、泣かずにいられなくなるかもしれません」

「え。どうして」

「なぜでしょう。あなたのお心が、だまっていても、私には、いちいち、月と水のように、すぐ映ったり、揺れたりします」

「桔梗どの。……ほんとに」

「え。ほんとに」

「ほんとなら。……」と、彼は手をのばした。そして急に、むくっと、身を起しかけたが、

「……痛い」と、顔をしかめて、からだを、折り曲げた。

「あれ。いけません。急にお起きになっては」

桔梗は、彼を抱えて、寝かしつけた。それは、弟をいたわる姉のようなしぐさであった。

痣

体は快くなった。もう、身うごきに、不自由はない。

留守をしている豊田の弟共も、さだめし、案じていることだろう。帰らなければなるまいと思う。が、帰りたくない思いもする。

同じ容子が、桔梗にも見える。

うすうす、知っているかのように、野霜の具足師の老夫婦は、なお将門に親切であった。客人としてでなく、家族あつかいの、温かさである。

「自分の館でも、このように、朝夕、揃って、飯時に笑えたら」