Japanische Klassiker mit Furigana
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たいらのまさかど
平の将門
吉川 英治
Lesen Sie 平の将門 (たいらのまさかど) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 232.193 Zeichen · 463 Bildschirme
予言の末世
予言の末世
相馬の小次郎が、昼、初めて、逢坂山の高所から眺め知った平安の都は、決して、彼の幻覚ではない。王朝設計による人間楽土の顕現であり、世に謳わるる藤原文化の地上にほこる実在のすがたであった事にまちがいはない。
けれど一歩、その市中に、足をふみ入れてみたときは、余りにも、表裏のちがいの甚だしいのに、その頃の旅行者とても、みな意外な思いをなしたことであろう。
いったい、飛鳥、奈良などの時世を経、ここに遷都した初めに、その規模や企画も、唐朝大陸の風をまねるに急で、およそ、現実の国力とは不相応な、ただ広大な理想にばかり偏しすぎたきらいがある。
――というよりも、貴族たちが、貴族たちだけの生活設計と、繁栄の意図のもとに創案して、零細な庶民の生態と、大きな力の作用などは、考慮にいれなかったものといったほうが早い。
だから、年をふるに従って、平安の都なるものは、実にへんてこな発展を描いてきた。
たとえば、宮門や太政官、八省などの建物とその地域は、華美壮麗なこと、隋唐の絵画にでも見るようであったが、そこを中心とする碁盤目の道すじをすこし離れると、もう泥濘は、言語に絶し、乾けば、牛の糞が、埃だち、そして左京の四分の一、右京はなお全区の三分の一強が、田であり、畑であり、湿地であり、ふしだらな小川であり、草茫々たる空閑地