Japanische Klassiker mit Furigana
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たいらのまさかど
平の将門
吉川 英治
Lesen Sie 平の将門 (たいらのまさかど) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 232.193 Zeichen · 463 Bildschirme
対決
という公卿詮議の議定が、公示された。
ただちに、下総の将門へ、召喚状が発せられ、将門は、官符をうけると、まもなく、東国から馳せのぼって来た。そして太政官に、着到をとどけ、しばらく、彼は街の旅舎に泊っていた。
彼にとっては、二度めの上京であり、六年ぶりに見る平安の都であった。
対決
「逆手を打たれた。こっちが、訴人として、出たいところを」
将門は、出し抜かれたと知って、心外になった。
「……だが、白は白、黒は黒だ」
彼は、怒りをなだめた。中央に出て、法官の前に、理非を争うのは、むしろいい事ではないか。正義の者に与えられた好機ではないか。そう、思い直した。
「卑屈になるまい。堂々と、いうところを述べ、けちな袖の下だの、裏から諸卿へ、泣きつきに歩くことはしまい」
在京中も、彼は、行状につつしみ、進退を守った。
緊張の中に、毎日を送っていた。
けれど、官の喚び出しは、その年のうちにはなかった。承平七年の正月が来てしまった。
男の三十五となった元旦を、彼は訴訟中の旅舎で、わびしく迎えた。
妻の桔梗から、便りが届いた。なつかしい彼女の文字。一字一字が、詩のように、将門にひびく。