Japanische Klassiker mit Furigana
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たいらのまさかど
平の将門
吉川 英治
Lesen Sie 平の将門 (たいらのまさかど) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 232.193 Zeichen · 463 Bildschirme
秀郷起つ
なるほど」
秀郷は、いちいち頷いてみせる。肚のうちでは、貞盛の弁舌ぶりを、よくしゃべる男だわいと、べつな意味していた。
「だがのう、右馬殿(貞盛のこと)――年を老ると、何をするのも、懶くての。……これが若い頃なら、一旗挙げるによい潮と、血もわこうが、秀郷には、もうとんと名利の欲もないのじゃよ」
「……が、乱賊将門の悪業ぶりは、お聞き及びでもございましょうに」
「知っている。……しかし、なにも将門だけが悪人でもあるまい。あんたの前だが、常陸の大掾国香どのといい、羽鳥の良兼、水守の良正など、どれもこれも相当なお人じゃよ」
「それは……」貞盛は、赤面した。貞盛自身にも、後ろめたいものが多分にある。秀郷の細い眼に、眼皺の中から、それを見すかされているような気がするのだった。
「何分、多年にわたるもつれなので、お聞き苦しい事も数々お耳に入っておりましょうが――詮ずるところ、近年、将門は思い上がって、近隣の領土を奪い、また、不平の輩を門に集め、その旧主の領へ攻め入る口実とするばかりか、彼の左右には、南海の賊で、純友と気脈を通じ合っている者もおるとか聞いております。――明らかに、天下を窺う野望があるに違いありません」