Japanische Klassiker mit Furigana
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たいらのまさかど
平の将門
吉川 英治
Lesen Sie 平の将門 (たいらのまさかど) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 232.193 Zeichen · 463 Bildschirme
朝霧
――帰り途にでも、また、寄らせてもらうとして」
朝霧
翁は、以てのほかな顔をした。
「どうしてでござりまする。せっかく、かかる野末のあばら屋へ、わざわざお訪い下されたものを」
泊ってもらうつもりだという。
そのため、もう、湯殿では風呂を焚かせ、厨では、老妻や娘までが、あの通り、炊ぎのけむりをあげて、何はなくとも、野の味、川の味、真心を喰べていただこうとして、大騒ぎをしてもいる。
「すぐ、お立ちとは、余りも、味気のうございまするぞ。豊田の御先代には、どれ程、お目をかけていただいたか知れませぬ。そもそも、てまえが、都から弟子共をひきつれて、ここに部落を開いたのも、良持様のお招きに依るのです。この地方には、よい鎧師ひとりいない。もし、諸職を連れて坂東へ下るなら、一代、仕事は決して手あきにはせぬ。どのような世話もしようと、あのお殿の御親切にもほだされ、また、都にも住み飽いた心地なので、弟子、諸職の者を語ろうて、ここに住んでからもう二十幾年になりました。……その良持様も世を去られ、ふと、稀に淋しむこともおざりましたところ、思いがけない、御子の御成人を今、眼のあたりに拝して、この爺は、思いも千々に、むかし懐かしゅう存じあげておりますものを」