Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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たいらのまさかど

平の将門

吉川 英治

Lesen Sie 平の将門 (たいらのまさかど) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 232.193 Zeichen · 463 Bildschirme

Aozora Bunko

白粉始事

てもろうたと……そこは、お聞えよく、話しておくりゃれ。……のう。頼むぞ。わしの名を、忘れずにな」

と、露骨な、自己宣伝の依頼を、平気な顔でいった。

白粉始事

放免は、気がるな男だった。

「東国ッていうと、ずいぶん、遠いだろうな。よく一人ぼッちで、来たもんだね。ゆうべみたいな目に、何度も、道中で遭やしなかったかい」

「ううん」と、小次郎は、かぶりを振り――「あんな目に遭ったのは、初めてだよ。鈴鹿山にも、海道にも、ずいぶん泥棒はたくさんいるそうだけれど、大人の後にばかりくッついて歩いて来たから」

「賢いな、おまえは。都へ出て、何になるつもりなんだい」

「学問したり、いろいろ、一人前の男の道を、勉強したりして、帰郷るんだ」

「とんでもない事だ。いい人間になろうというなら、都から田舎へ、見習いに行った方がほんとだ」

牛輦が、前から来た。悪路に揺れて、輦の簾が、音をたてている。泥濘をよけつつ、それと、すれちがう時、小次郎は、簾のすき間から、チラと見えた麗人の白い容貌と黒髪に、胸が、どきっとした。そして、薄紅梅に、青摺の打衣を襲ねた裳からこぼれた得ならぬ薫りが、いつまでも、自分のあとを追ってくるような気もちにとらわれた。