Japanische Klassiker mit Furigana
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たいらのまさかど
平の将門
吉川 英治
Lesen Sie 平の将門 (たいらのまさかど) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 232.193 Zeichen · 463 Bildschirme
行々子
「かまわぬから、つづいて、麦を刈れ、麦を館の土倉へ、どしどし運んでしまえ。なにも、他人の物じゃないぞ。天地も照覧あれ、将門は、おまえたちに、ケチな盗み鎌など唆すものか。おれと暮すなら、おれを信じろ」
行々子
気の向くまま、心の澄むまま、遊ぶまま、狂いたいまま、しかも無理はしないで、この天地間に、水ほど、領野を自分の物にしきって、自由に暮しているやつはない。
「――羨ましい姿だ。水の心だ。癇癪などは、すこし恥かしいな」
将門は、のべつ、大股に、汗をかいて歩いていたが、ふとそんな考えも起した。
――というのは、歩けば歩くほど、実に、この地方は、水だらけで、およそ、視界や足もとから、水と縁の切れることはない程だからである。
従って、河原だらけで、すこし草の生えている土壌でも森でも、それは河原の中の島にすぎない。そして河原を走る縦横無尽な、幾すじもの水脈が、やがて中心部に相寄って、湖のような幅になる。そこがやっと主流で、いわゆる、下総、常陸の国境をなす毛野川(今の鬼怒川)の大河であり、新治、常陸の平野と、筑波の山が、彼方に見える。
「……はてな。おれが子供の時分には、たしか、この辺に、渡舟があったはずだが」