Japanische Klassiker mit Furigana
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たいらのまさかど
平の将門
吉川 英治
Lesen Sie 平の将門 (たいらのまさかど) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 232.193 Zeichen · 463 Bildschirme
危険な舌の持主
「すわ、将門が挑戦して来る前ぶれとみえるぞ」
為憲は、暁のうちに、陣頭に立ち、国府の内も、色めき立っていた。
――と、その朝。将門方から、騎馬甲冑の一団が、進んで来て、
「これは、下総の平将門が使者です。常陸の国司維茂どのに物申す事のあって推参して候。――維茂どのの営へ導き給え」
と、為憲の陣前に向い、まんまると寄り合いながら、大声にいっていた。
危険な舌の持主
常陸側の首脳部と、将門方の軍使とが、国庁の広庭で会見したのは、その日の昼で、冬の冴えきった空に、陽がらんとして燦き、双方、いかめしく、床几を並べて、対峙した。
「せっかくのお申し入れだが、その藤原玄明という男は、当庁にあって、府官にあるまじき悪行を働き、ついに身の置き所もなくて、他国へ奔った人間でおざる。――いわば当国としては、追捕中の前科者と申すべき者だ。――左様な人間を、いかに将門殿のお扱いでも、罪を解いて、旧職に復すわけには参らぬ。お断りする。明確にお断りする」
維茂の返答である。
その返答でも分るように、将門方の軍使は、将門の扱いと称して、玄明の無罪と、彼への追捕を止めることを、常陸側へ、求めたのだった。