Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

たいらのまさかど

平の将門

吉川 英治

Lesen Sie 平の将門 (たいらのまさかど) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 232.193 Zeichen · 463 Bildschirme

Aozora Bunko

名門息子

「それは、捨ておけん。一大事だ」

彼は、たちまち、馬を回して、野霜の方へ、駈けて行った。

この嵯峨源氏の嫡子も、年はもういい程である。正妻も側室も持っていた。だが、恋は、べつな道としているらしい。地方にめずらしい洒落者で、綺羅やかな太刀、狩衣の装いや、馬具の飾りの美々しさは、つねに草深い領下の土民の眼をそばだたせていた。そして、いつも七人や八人の供は連れている。

「はやく来い。ばかっ。おくれな、郎党共」

追いつき切れない家来たちを、時々、馬上から振り返って叱りながら、まるで、戦場へでも急ぐような語気である。

「隆の仕業かな? ……。そうだ。悪くすると、弟め、それくらいな事はやりかねん」

充分に、疑って、野霜の具足師、伏見掾の部落屋敷へ、駈けこんだ。

ところが、どこで聞いたか、弟の隆の方が、もう先にそこへ来ていた。翁も媼も、その夕から、床について、嘆き沈んでいるといって会わない。弟子たちや、部落の諸職の者を集めて、細々、訊きただしていたのだった。

「どうも、よくわからん。――桔梗がいなくなったのは、事実らしいが、前後のいきさつが、辻つま合わぬ」

「隆。何も、手がかりは、ないのか」