Japanische Klassiker mit Furigana
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たいらのまさかど
平の将門
吉川 英治
Lesen Sie 平の将門 (たいらのまさかど) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 232.193 Zeichen · 463 Bildschirme
さびしき人
そして、彼自身は、将台と称える一だん高い座に、大きく坐った。そこだけは、幄舎形に、屋根や袖部屋の設けもあった。うしろは、橋廊下から社家の住居へも通えるのである。さながら、殿閣の王者みたいであった。
その上に、彼のそばには、彼の侍妾かと思われる十数名の美姫が侍っていた。――また、諸将諸官の席には、緋の袴の巫女やら、舞衣を着けた門前町の妓たちが、入り交じって、銚子や杯の乱れあう間に、嬌声をながしていた。
さびしき人
「なんと、これほどな大典と盛宴は、大宝八幡はもとより、この土地開けて以来、初めてのことだろう。――いや、こう上から下まで、一堂に会したことも、諸郡の百姓が、群集した例も、かつて、坂東八ヵ国になかったことだ。めでたいではないか。じつにめでたい春だ」
興世王は、もう赤面の舞楽面みたいになって、しきりに、泰平を謳歌していた。
すると、藤原玄明だの、藤原不死人だの、将門の股肱を以て任じている一連の首脳部たちも、
「めでたい。万歳」
と、何度も、杯を高く上げたりして、
「しかし、ほんとの事をいうと、これでもまだ、何だか、祝い足らんな。もっと、何か、わんわと、沸かしてもよかった」