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Japanische Klassiker mit Furigana

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たいらのまさかど

平の将門

吉川 英治

Lesen Sie 平の将門 (たいらのまさかど) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 232.193 Zeichen · 463 Bildschirme

Aozora Bunko

袴も」

「ええ……。御装束は、みな、調うていますけれど」

「なぜ、そんな淋しい顔をするのか。――桔梗、よせよ、そんな悲しそうに、睫毛をふるわせるのは。おれまでが、悲しくなって、何だか、行きたくなくなってしまう」

「おねがいですから……」

桔梗は、抱かれた良人の手の甲へ、濡れた睫毛を、ひたと、すりつけた。

「――いらっしゃらないで下さい。四日の御法事には」

「どうしてか。なぜ」

「でも……私、心配でなりません。いいえ、御舎弟たちも、寄り寄り、お案じ申して、私へ、強って、お止めしてくれと仰っしゃいます」

「将頼がか?」

「いいえ。将平様も、将文様も」

「新治の大宝寺というので、敵地へ行くように案じるのだろうが、常陸源氏の息子たちは、この法要には関りはない。羽鳥や水守の叔父共は見えるだろうが、おれさえ、何事にも怺えていれば事はすむ。――それも、余人の年忌ならばだが、亡父良持のと申されては、どう嫌な人間が集まっていても、行かぬわけにはゆかぬ」

「将頼様の御代参ではいけませんか」

「総領のおれがいるのに。……殊には、ほんとなら、法要はおれの名をもって営まねばならないところだ。……な、そうであろうが」