Japanische Klassiker mit Furigana
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たいらのまさかど
平の将門
吉川 英治
Lesen Sie 平の将門 (たいらのまさかど) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 232.193 Zeichen · 463 Bildschirme
その愚鈍を、嘲り笑いながら、良正は、
「おう、いつまで、そうして立っておれ」
と、自分も、弦を張って、彼を的に、一矢、引きしぼった。
「くそっ、そんなヘロヘロ矢にあたってたまるかっ」
将門は、長柄を横に持って、馬をとばして来た。矢が、彼の体から撥ね、良正との距離が、一気に、迫った。
良正は、あわてて、味方の中へ逃げこんだ。
この日の合戦も、ついに、水守勢の総くずれに終り、いたずらに、豊田の将門一党に、再度の誇りを持たせてしまった。
良正は、さんざんな目を見て、水守のやしきへ帰ると、すぐ筑波の兄良兼の所へ行って、うらみをいった。
「ちと、おひどいではありませんか」
「なぜ、何を、いうのか」
「元々、将門をかたづけようという計は、お互いの密契でしょう。私ひとりに、かくまで、苦心させて、さきに書状もあげてあるのに、一兵も加勢を出し下さらぬとは」
「その事か。……いや実は、なにも、将門を怖れてではないが、わしには、すこし腑におちぬ事があるので、この羽鳥の砦を、めったに留守にしかねているのだ」
「――と、仰っしゃるのは?」
「例の貞盛の行動だが」
「なるほど。不審です。いや、不満です、私も」