Japanische Klassiker mit Furigana
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たいらのまさかど
平の将門
吉川 英治
Lesen Sie 平の将門 (たいらのまさかど) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 232.193 Zeichen · 463 Bildschirme
もう彼の健康は、恢復していたし、かつは妻子を失い、豊田の本拠を失ってから、一念、鬼のごとき復讐に燃えていた。
「ござんなれ、良兼」
という意気である。
慌てはしたが、たちどころに、営中の郎党から兄弟たちも団結して、それに当った。奮戦力闘、攻め寄る敵を殱滅して、かえって、良兼の筑波勢に、手痛い損害を与えて、見事、追い返してしまったのである。
「裏切り者は、子春丸です」
彼をよく知る仲間の梨丸が、その後ですぐ将門に訴えた。
「幼少の時から、眼をかけてくれていたのに、憎い童め」
将門は、弟の将平にいいつけて、ただちに、彼を引っ捕え、首を打って、羽鳥の良兼へ、わざと、送り届けてやった。
子春丸には、老いたる母があった。羽鳥ノ柵へ、その首を貰いに来て、良兼の前で、首を抱いて慟哭した。
「わしの伜を、このようにしたのは誰じゃ。誰が、わしの子を……わしの子を! ……」と、老母は、泣き沈んでいるうちに、突然、発狂したらしく、わが子の首のもとどりをつかんで、おそろしい形相をしながら立ちよろめくと、良兼へ向って、
「おまえじゃろ。おまえにちがいない。わしの子を、元のようにして返せ!」