Japanische Klassiker mit Furigana
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たいらのまさかど
平の将門
吉川 英治
Lesen Sie 平の将門 (たいらのまさかど) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 232.193 Zeichen · 463 Bildschirme
素朴な読書子
もちろん、女官は、薄くらがりで、それが、野盗とは知らずに肌をゆるしたのだろうが、かわいそうに、更衣のお耳にもきこえてしまったので、病気といって、宿へいとまをとって、退がってしまったそうだが……」
雑談がわくと、限りもなく、そうした猥らと、物騒なはなしは、次から次へ、いくつも、語り出されるのである。
京師を横行する群盗は、いまや、市中をあらすだけでは物足らなくなり、折々、宮門をうかがって、後宮の女御更衣たちをも、おびやかすばかりでなく、あるときなど、真昼、陛下がおあるきになる弘徽殿の橋廊下のしたに潜っていたのを、陛下自身お見つけになって、騒ぎとなったことさえある。
――そういう、兇悪なものの出没を聞くたびに、小次郎は、かつて十六歳の春、この都の土を初めて踏んだ日の宵に、東山のふもとで見た焚火の群をいつも記憶から呼びもどされた。そしてその仲間たちの顔や、また、八坂の不死人だの、禿鷹だの、穴彦だのと呼び交わしていた彼らの名まえまで思い出された。
素朴な読書子
いかめしい、八省十二門のうちには、兵部省もあり、刑部省もあり、また市中には、検非違使もいるのに、どうしてそんな群盗どもに横行されているのか、小次郎には、ふしぎでならない。