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Japanische Klassiker mit Furigana

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たいらのまさかど

平の将門

吉川 英治

Lesen Sie 平の将門 (たいらのまさかど) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 232.193 Zeichen · 463 Bildschirme

Aozora Bunko

蚊に美味き大臣の肌

そして、

「こんな小舎人一匹。おれが片づけるから、てめえたちは、さっさと、女をかついで、川を渡ってしまえ」

と、部下へいいつけた。

小次郎は、首をあげて、彼等の行方を見ようとしたが、たった一つの拳を襟がみから離すことができない。……が、ふと見ると、頭目は左の手に、鉾に似た長柄の刀をさげている。小次郎は、その柄をつかんだ。

これには、頭目の男も愕いたらしく、

「小ざかしい奴ッ」

と吠えて、大きく振り放そうとした。ところが、小次郎は両手を懸けてしまったし、男は、左手だったので、勢いは、小次郎を利し、小次郎のからだが、ぶん廻しみたいに廻った代りに、長柄は、彼の手に移ってしまった。

「たたっ殺すぞっ」

頭目の男は、さそくに、野太刀をひき抜いて、炬のごとき眼を、彼にそそいだ。小次郎は大いに怖れた。過って、武器を手に得たことを悔いるように、長柄を捨てて、逃げかけた。

すると、頭目の男は、からからと笑って、

「おい待て。相馬の小次郎。おもい出せないのか。八坂の不死人を」

と、いって、また笑った。

蚊に美味き大臣の肌

「あっ? ……。オオ、覚えている。……八坂の下で、焚火にあたっていた中の一人だ」