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Japanische Klassiker mit Furigana

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つたかずらきそのかけはし

蔦葛木曽棧

国枝 史郎

Lesen Sie 蔦葛木曽棧 (つたかずらきそのかけはし) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 335.908 Zeichen · 669 Bildschirme

Aozora Bunko

「いやいやそれには及ばない。宮越、越えれば福島じゃ。これまで隙のないものが、これからありよう筈はない……乾児衆にもおさらばおさらば」

声と一緒に未練もなく、武者之助の一団は引っ返した。

「さあこの間に一走り!」と如来衛門の声を合図に駕籠は山路を飛ぶように走り、真夜中に福島へ入って来た。

右門の指図で一団の者は、花村邸の正門を除けて裏門の方へ廻わって行った。

「ご開門ご開門」と忍び音に、右門は扉を手で打った。

しばらくあって人気がして、邸内から忍びやかの声がした。

「どなたでござるな? 何用じゃな――かかる深夜に門を叩くは火急の用でもござってか?」

父、甚五衛門の声である。

右門はあまりの懐かしさに、

「父上!」と我知らず声をあげた。「父上、私でございます。あの、右門奴でございます」

「何、父上だと? これは意外!」

邸内の声は冷ややかである。

「父と呼ばれる伜なんど、この老人にはござらぬて……」

「いいえ私でございます! 右門奴がおわかりになりませぬか」右門は焦心って云うのであった。

「右門じゃと? ハテな、その右門も仔細あって、勘当した上は、父と云っても赤の他人じゃ」