Japanische Klassiker mit Furigana
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つたかずらきそのかけはし
蔦葛木曽棧
国枝 史郎
Lesen Sie 蔦葛木曽棧 (つたかずらきそのかけはし) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 335.908 Zeichen · 669 Bildschirme
別れの菊酒
とばかりに悶絶して五右衛門は地上に伏し仆れた。
別れの菊酒
庵室の縁へ腰かけて百地三太夫と才蔵とはしんみりと物語を交わせていた。
「この頃ちっともお三婆は姿を見せないではございませんか。さすが剛情のあの婆も、お師匠様には敵わないものと諦めているのでございましょう」
「なんの婆が諦めるものか」三太夫は苦笑を洩らしながら、
「諦めるどころか恐らく婆はこの私を取って抑えようと苦心しているに違いない。吹矢のお三とも云われる悪婆、よもおめおめとは引っ込むまい、私が思うにはあのお婆、五右衛門を手もとへ引き取って以来、悪人同志気心が合って、額を一つに集めながら私を取りのぞく悪計でも巡らしているに違いないぞ」
すると才蔵は心配そうに、
「五右衛門と云えばあの悪侍、お師匠様に法術を学び用に立てたいなどと申して参り、内心の邪悪を見すかされると忽ち狼心をあらわして、師と頼むべきあなた様へ白刃を向けようとは呆れた奴。恐ろしい奴でございますなあ」
「そういう無道の人間を自分から好んで引き取ったお三婆という女も、ろくな者ではあるまいぞ。きっと婆は五右衛門めに、法術を伝えるに違いない。そしてこの俺に向かわせる気じゃ、大概寸法は知れておるわい」