Japanische Klassiker mit Furigana
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つたかずらきそのかけはし
蔦葛木曽棧
国枝 史郎
Lesen Sie 蔦葛木曽棧 (つたかずらきそのかけはし) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 335.908 Zeichen · 669 Bildschirme
「南無三宝!」と五右衛門は、抜いた刀を肩に担ぎ、ヒラリと庭へ躍り出たが、見れば庭園の四方八方蟻の這い出る隙間もなく鎧武者ヒシヒシと取り囲み、高張り提灯、松火、篝火、真昼の如く焔え光り、四辺は火事場のそれかのようどこに隠れる蔭場もない。
この有様に仰天し、五右衛門は四方を睨んだが、あくまで図太く哄笑した。
「六尺に足らぬ五右衛門一人を、討って取ろうにこの構えとは! 伊那家に勇士はないと見ゆる。かくなるからは死に物狂い、死人の山を築いてくれる」
館を囲繞した幾百の武士は、しかし寂然として動かなかった。
雨戸を悉く取り外した館の廊下に若殿と共に、悠然と立っていた三太夫は、この時初めて声をかけた。
「なんの伊那家ともあろうものが、鼠賊一人を捕うるにかかる大軍を催おそうや。かかる備えを設けたは汝五右衛門のためではない。すなわち汝の背後にあって、汝をあやつるある者に威勢を示すそのためじゃ」
「何※(感嘆符疑問符、1-8-78)」と五右衛門はその方を睨み、「われを操つる者ありとか?」
「われかねてより見通したるわ!」
五右衛門はしばらく考えていたが、大口開いてまず笑い、