Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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つたかずらきそのかけはし

蔦葛木曽棧

国枝 史郎

Lesen Sie 蔦葛木曽棧 (つたかずらきそのかけはし) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 335.908 Zeichen · 669 Bildschirme

Aozora Bunko

「さすがは百地三太夫、よく我が心を見抜いたり。今は何をか隠くそうや! 吾、ある人に頼まれて、伊那家の奥殿に忍び込み、奥方を攫わんとは為したるぞ!」

「して頼んだるその人は?」

「汝ら聞いて驚くな! 吾を語らいしその者とは木曽の霊境に砦を構え、四方の勇士を集め召す、御嶽冠者行氏なるわ!」

五右衛門は刀を鞘に納め、ドッカと大地へ胡座をかき、

「吾、四方に志あって、故郷の加賀を立ち出でしは、今よりちょうど三年前、諸国の国状を探りつつ、木曽山中にかかりしおりから、野武士バラバラと走り出で、慇懃に吾を導くにまかせ、次第に峰に上るうち、御嶽山頂の砦に着き、御嶽冠者に逢って見れば、噂に優る人品骨柄、智徳兼備の大将振りに、吾ことごとく感に入り、その一党の仲間となり、彼の片腕と頼まれて、三年の月日を経る中に伊那に不思議の老人あって、幻妙の術を使うと聞き、御嶽冠者に頼まれてその蘊奥を探らんため、汝に弟子入りせしに、吾を罵って近寄らしめず、計らずかえって汝の敵の吹矢のお三の弟子となり、摩訶幻々般若の術を今日までに一切習得したれば、冠者への土産に伊那家に押し入り、よき人質を引っ捕らえて、御嶽の山砦に立ち帰りなば人質に引かれて伊那の一族、冠者の旗下となるは必定、それに冠者もまた伊那家も、木曽に対しては深讐あり、二党揃って押し寄せなば、